~ことに

 「砂嵐」。若い人はわからないかもしれません。

 地上波のテレビは、2011年の7月にデジタル方式に完全移行し、アナログ放送はなくなりました。アナログ時代に放送した作品は画面の両サイドに枠を作ったり、画面をにじませたりと、様々な工夫をして再放送しています。

 「砂嵐」というのは、その日の放送終了後、主電源が落とされた後画面に現れます。深夜までテレビを見ていた時、シャーッという音で目を覚ました人もいるのではないでしょうか。以前はこの「砂嵐」のノイズが、母体の中で赤ちゃんが聞いている音に共通するとかで、「夜泣きで困ったら砂嵐」なんて話もありました。今は、電波が止まると画面は真っ黒になりますから、逆に赤ちゃんの泣き声が響き渡るなんてことになりそうです。

 「砂嵐」の時代になくて、いまあるのは、字幕でしょう。近年のニュースではインタビューした人の言葉にもほぼすべて字幕が付きます。今は専用のアプリケーションがあってPCの画面上で文字やちょっとした絵を作りますが、アナログ時代は文字スーパーも写植のシステムで作っていました。フォントがいくつもあるわけではないので、字体を変えたいときは手書きでやっていました。これにはかなりのテクニックが必要でした。

 いまでは字幕があるのは当たり前です。逆に画面を生かせばいいのにと残念に思うくらいです。バラエティ番組だと「驚」とか「固」など、大きな漢字一文字で映像をサポートしたりします。アイデアだなあと最初は感心しましたが、最近はちょっと多すぎると感じます。

 そういう意味では、使い過ぎ感があるのが「~ことに」という表現でしょう。キー局のどこかが始めたのでしょうが、下手をすると報道系の番組でも聞くことがあります。この表現法を最初に作った人はすごいと思いますが、最近は「ことに」のワンパターン。「アレンジするアタマはないんかい!」と思ってしまいます。わざわざそこで止めなくても「ことにしました」と言い切ったほうが良い場面も「~ことに」原稿。つまんないんだよなー。

2021-04-20 | Posted in UncategorizedNo Comments » 

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