聞き上手は話し上手
電話でのセールスなどでいきなり
「自分はどういう会社のものでこういう製品を…」
とまくし立てる人がいます。
あれは電話の向こうにいる人に
「不快だ。電話を早く切りたい」
と思わせてているようなものです。
少なくとも会社名と自分の名前を名乗ったあと
「とってもお得なお話があるのですがお時間を少しだけ戴けませんか」
くらいのコトバは欲しいものです。
まくし立て型の人に限って、少しだけと言いながら自分が伝えたい情報(多分マニュアル通り)を
機関銃のように発射し、相手に遮る言葉をさしはさめなくする。
おそらくそのあと
「この商品が一か月わずか〇円ですが、いかがでしょう」
と続くのだと思います。
その昔、押し売りという迷惑な人たちがいました。
各家庭を訪ね歩き、日用品に毛が生えたようなものを売りつけるのです。こわもての人が多かったように思います。
早く出て行ってもらいたいから買ってしまう。この「押し売り」という業態がいま電話での販売に形を変えているように思います。
話は変わりますが、人に相談に行った時、自分の現状を説明している途中で
「それは違いますね」
と行動を否定されてしまったら相談者はどう思うでしょうか。相談の内容はまだこれからなのに、なんだよ~
と思うでしょうね。
最初の一言で、明らかに方向が間違っていると思うことは多々あります。しかし、相談者はそれに気が付いていないのです。
まずは心の声をすべて聞いてあげること。そのうえで
「〇〇さんは●●で悩んでいるのですね。では問題のスタートに戻ってみましょう」
と最初の選択肢があっていたかどうかを相手に考えさせる。ここが大切なんだと思います。
とっさの判断での間違いに気づかないことはよくあることです。考えることで“気づき”が生まれ、その人の成長にもつながるのだと思います。
もちろん、その場であっているか間違っているかを答えてあげなければいけない場合は別です。
対面販売での客の要望なども、話の途中で断ち切るようにこういう商品が…と入るのは、取引は成立しても買った客はあまりいい思いをして帰りません。「また来よう」と思わせるのは、話を聞いてあげるという小さなことなんだろうと思います。
聞いて、もし分からないことがあれば逆に質問してあげる。
子どもさんとのやり取りにも同じことがいえると思います。